病気が気づかせてくれたこと 

尿路感染症とは、
その名の通りおしっこの通り道が何らかの菌によって感染し、
炎症を起こしてしまうこと。
炎症が膀胱でとどまれば膀胱炎、
膀胱でとどまらず進んでいってしまうと腎孟腎炎となる。
怖いのは、乳児が腎孟腎炎を繰り返すと腎臓が瘢痕化して萎縮をおこし、
腎機能を失ったり、将来透析をしなければならない事態を
引き起こすことがあるということ。
さらに、尿路感染症にかかった乳児の約7割には
先天的な尿路異常(膀胱尿管逆流現象や尿管が狭くなっていたりなど)が
潜んでいるとも言われており、
尿路異常がないか精密検査をしたほうがいいそうだ。


で、ちびは8月に尿路感染症にかかった時に、
レントゲン、エコー、採尿の検査をした。
そして1ヶ月経って、
再度レントゲンとエコー、採尿の検査をすることとなった。
通常エコーでは、水腎症や明らかな逆流現象、尿管の異常などがある人、
要するにかなり悪い状態なら見えるらしいのだが、
ちびが紹介状を持って受診したこの病院には
専門的に熟練したエコー技師さんがいるため、
ある程度の状態(わりと細かいところまで)は、
エコーでもわかるとのこと。
ドクターからは、
「エコーで見て、その状態次第で更なる検査をすべきか判断しましょう。」
と、説明を受けた。
更なる検査とは、造影剤を使った検査で、
おちんちんから膀胱までカテーテルを通して造影剤を流しこんで、
尿路に逆流現象がないかを調べるもの。
この検査は、
絶対ちびが恐怖におののいて泣き叫ぶであろうことが予想されたので、
できればさせたくなかった。
尿路に異常は見つかるのか、
更なる検査にすすむのか……。
不安な気持ちを抱いたまま、
黙々とレントゲンやエコーなどの検査をこなし、
最後結果を聞きに診察室へ入った。


結果は。
エコーで見たところ、
・膀胱が腫れていない
・腎臓も左右とも萎縮がみられないこと
水腎症も起こしていない
・明らかな尿路異常が見られない
とのこと。
ただし、
乳児、しかも男の子で尿路感染症にかかったということは、
やはりエコーには見えない先天的な小さな尿路異常が隠れているという
可能性は考えられる。
しかし小さな尿路異常ならば成長と共に自然治癒する。
だから1歳までに再発しなければ大丈夫でしょう。
でもあと半年くらいは再発しないか充分に注意してください。
もし再発すれば、その時に造影剤の検査などの精密検査を受けること。
また、定期的に採尿をして尿に濁りがないかをかかりつけ医に検査してもらうこと。
を言い渡された。。


はぁ――――――――――――――――っ。



8月に緊急入院となった際、
「もしかしたら水腎症の可能性もある。
 状態によっては手術の可能性も。」
と宣告され、
檻のようなベッドに横たわり点滴をされ眠っているちびを見て、
涙で一睡も出来なかったあの夜から1ヶ月半。
本当に長かった。
私もちびも辛い日々だった。
今後も要注意ではあるけれど、
幸運にもひどい尿路異常ではないようで良かった…。


病気になって,健康の有り難味がいやというほどわかった。
今までちびが健康で生きてきてくれたことが
これほど幸福に満ちたものだったとは。
病気にならなければ決して気づかなかった。
これからも大切に大切に育てていこうと思った。
この子は体が弱いし、これからもきっと病気をするだろうけど、
私も強い精神力でもってこの子と共に病気を乗り越えなければならない。
もっともっと強くならなければ。
ちび、お互い頑張ろうね。