退院

ちびが発熱したのが14日の明け方。
突然38度6分の熱が出たため朝イチで総合病院のA病院の小児科へ。
喉も赤いし咳もある。下痢もしている。
風邪との診断だった。
38度5分以上のときは座薬の解熱剤を使用して、
2〜3日様子を見てくださいと言われた。


その後15、16日と解熱剤を使用しても38度台から熱が下がらず、
17日39度3分まで上がり、おっぱいをほとんど飲まなくなった。
ちびはぐったりして眠るか機嫌が悪く奇声をあげるかの繰り返し。
再度A病院へ電話をしたところ、
「引き続き解熱剤を使用して今日は様子を見てください。
 緊急性はないと思いますので明日の受診で結構です。」
と言われた。
えー?!と思ったが来るなと言われた為仕方がない。
滞在先のホテルで母と交代でひたすら看病。
でもおしっこの量が何だか減ってきて、
あんなに大好きだったおっぱいを全く飲まなくなった。
これはヤバイ!と感じて夜間救急病院へ連れていった。
即、採血と採尿をされた。
しばらくすると先生が検査結果を握り締めて駆け寄ってきて、


「お母さん、採尿の結果、おしっこに通常ではあり得ないくらいの量の
 白血球が出てます。
 おそらく尿路感染症だと思います。
 低月齢の男の子が尿路感染を起こした場合、
 尿路に異常がある子が多い為、今から大学病院に入院して下さい。」


と、説明を受けた。
ちびは脱水症状も起こしていたらしく、
点滴をされるために連れていかれた。
突然の病気の宣告と、
ちびが点滴をされて恐怖と痛みで泣き叫ぶ声に
私も嗚咽をあげて泣いてしまった。


その後、もう明け方だったが、
紹介された大学病院の救命救急センターに移り、
与えられた病室で一晩過ごした。
今後のことを考えると涙、涙で一睡も出来ず。
ちびは突然大泣きしたり、
熱で苦しいのだろう、うなされて朦朧としたりの繰り返し。
この時熱が40度3分まで上がったが、
抗生剤と解熱剤の併用は不可とのことで、
氷枕しか与えてもらえなかった。
で、翌日からはひたすら検査と点滴の日々。
点滴はちびが太っている為血管が取りにくいようで、
5回も打ち直しされていた。
しかも両足の甲、両手の甲、親指の付け根で打ち直し。
大人の私達でも辛い場所なのに、
ましてや4ヶ月の子が辛くないはずない。
もうその時の叫び声は、
とてもじゃないけど聞いていられるものではなかった。
身を引き裂かれるかのような泣き方だった。
その点滴は24時間しっぱなし、
5日間外れることはなかった。
指しゃぶりも出来ない、おもちゃも持てない、
横抱きでおっぱいは飲めない、
寝返りの練習も出来ない、
本当に可哀相で不憫で私もちびの姿を見ては涙。


一方、抗生剤の効果から、
ちびの容態は3日目を過ぎた頃から良くなっていった。
熱も下がった。
あのままA病院のいうことを聞いていたら、
細菌が血液に入り込んで敗血症や髄膜炎をおこして
ちびは死んでいたかもしれない。
救急病院の先生に採尿検査をしてもらえて命拾いをした。
不幸中の幸いとはこのこと。
肝心の検査の結果は、
やはり尿路感染症とのこと。
一筋縄ではいかない病気なので
今後の方針を先生と決めていかねばならないが、
ちびの精神が不安定になっているため、
一旦退院させてもらうことにした。
こうしてやっとのことで自宅へ戻れた。
16日ぶりのことだった。